ユーロ・ドル円試行錯誤が続く!動意を待って逆張り待機?
ユーロがドルに対して9営業日ぶりに安値から反発している。欧州金融安定ファシリティ(EFSF)がギリシャ向け融資の一部支払いが確認され、新政権樹立へ向けて進展があったとの当局者の発言を受け、一応、ギリシャのユーロ離脱懸念が和らいだ格好ではあるが、ユーロの更なる上昇要因としては不充分と言わざるを得ないだろう。
一方、ギリシャの総選挙後に政権樹立が断念され、依然として、同国の政局混迷が続いているため、現時点では、再選挙は避けられない情勢であるが、EU関係者によると、14日にもユーロ圏閣僚会議を開き、ギリシャ内閣の見通しを協議、その他、スペインの金融機関の状況についても議論する見通しとなっているが、ギリシャの再選挙の有無で相場が一変する可能性は低いであろうが、むしろ、スペイン経済のバブル崩壊に伴い、金融不安が増幅する中、雇用情勢が更に悪化しており、既に同国の失業率は24%まで上昇、また、若者の失業率が51%と驚くべき数値まで達している。スペインの経済規模から判断しても、ギリシャのソブリン・リスクの比ではなく、ECBの支援策にも限界があるとの見方が支配的であり、当面、ユーロの反発は限定的と判断するのが賢明であろう。
他方、ドル円は4月の米財政収支は2008年9月以来の黒字となったことや米新規失業保険申請件数が雇用回復の継続を期待させる内容だったことから、一時80円台を回復しているが、同レベルではポジション調整や実需売りに圧されて、小幅な上昇にとどまっており、狭いレンジ相場と判断するのが順当であろう。