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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ反発も限定的!1.3000台からの戻り売りに妙味?

連日のようにギリシャへの政局不安が強まる中、NYダウ平均株価は6日続落するなど、市場は、依然として、リスク回避的な動きに収束感は見られていない。その中、為替市場ではユーロを中心に資源国通貨にも波及しており、相対的に円高相場へと傾斜している。ただし、昨日、EUが懸念されていた対ギリシャへの融資52億ユーロを決定したことを受けて、ユーロ及び株価も下げ渋っており、やや小康状態にあるものの、ユーロを積極的に買い戻す状況には至っていない。
一方、ギリシャの政治情勢に関しては、連立政権の樹立を断念した事により、再選挙の可能性が更に高まっているが、仮に緊縮財政に反対する少数党が勝利すれば、政局混乱の長期化と共に、EUが主張している歳出削減が進まず、ギリシャの資金繰りの悪化などを含め、乱をきたすことは避けられない情勢にある。
いずれにしても、その結果がどうであれ、政治空白と共に財政面ではギリシャ政府が制御不能に陥る可能性が高いだけに、ユーロ離脱は時間の問題との声が少ないのが現状である。他方、ギリシャ国債利回りは今週に入っても2%超上昇し、23%を記録する中、イタリア及びフランス国債利回りも上昇、特にスペイン国債は2週間ぶりに6%の大台を突破するなどドイツ国債利回りとの格差が更に拡大しており、リスク選考型のマーケットになっている。それ故に、消去法的にドル買い並びに円買い需要が増していると言わざるを得ないだろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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