揺らぐユーロ!1.2900~1.3100レンジで対応?
先のフランス、ギリシャの選挙を受けて、欧州財政懸念が再燃するなどを背景にユーロは相対的に上値の重い展開を強いられているが、市場は新政権の動向を見極めたいとの思惑もあり、一部短期筋によるユーロ買い戻しが優先される中、ユーロドルは混迷を極めている。その後、フランスでは財政緊縮に取り組んでいたサルコジ政権が敗北し、また、ギリシャでは総選挙後の連立政権交渉が決裂、既に再選挙が有力視されるなど、財政再建計画の遅れが指摘されるなど、新政権に対する不透明感は根強く、ユーロ危機の長期化を踏まえて積極的にユーロを買い戻す動きは小康状態にあると言わざるを得ない。
一方、米国では雇用情勢の悪化が伝えられるなど、米経済の先行き懸念が高まる中、NYダウは辛うじて13,000ドルを維持しているが、世界的な株安傾向は否めず、株安を背景に円買いに弾みがつきやすい相場環境にある。しかしながら、ドル円80円割れが早期に実現したため、とりあえずは利益確定買いが散見されているため下値は限定的になっている。そして、更なる円高局面ともなれば、政府・日銀の介入操作への警戒が強まる可能性が高く、一方的な円高相場にはなりにくくなっている側面がある。