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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

円高進行中!過度な円高期待は禁物?

大型連休で本邦の市場参加者の激減を背景に、ドル円は心理的節目である80円を難なく割り込み、2カ月ぶりに79円台へ下落しており、先の本邦貿易赤字拡大から始まった円安相場が終止符を打った格好である。
一方、昨日発表された米個人消費や4月のシカゴ地区の製造業景況指数が56.2と2009年11月以来の低い伸びとなったことがドル売りを誘発、また、スペインGDPが前期に引き続き2期連続のマイナス成長となったことで、2009年以来のリセッション(景気後退)入りが確認されたことが嫌気され、欧米経済の先行き懸念による不透明感が強まる中、消去的な円買い需要が拡大しつつある。
一方、前日の米国債相場が続伸する中、円高・ドル安基調を背景に、長期金利は1年半ぶり、超長期債利回りは7カ月ぶりに低下するなど、依然として、リスク回避の動きは根強いものがあるが、ドル円79円台では政府日銀の円売り介入が意識されており、下値は限定的と判断するのが妥当であろうが、債券相場も下限レベルまで金利の低下を促しているため、一方的な円買い相場にはなりにくい相場環境にある。
他方、市場は一連の米経済指標の悪化から、週末の米雇用統計の動向に関心が集まっており、原油価格の高止まりなどを背景に、米雇用情勢が再度悪化した場合、ドルを買い戻す動きは減少せざるを得ない状況にあるが、当面、ドル円79~81円、そして、ユーロドルは1.3150〜1.3300のレンジ相場で少なめの売買で対応することが賢明であろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2012年4月29日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.1850 現状乖離幅0.1711→0.1851(A)100÷106.40=0.9398−(B)1÷1.3250=0.7547⇒0.1851。先週の売りシグナル81.55円から下げ足を速めており、今週は弱めの売りシグナル80.30円が点灯している。尚、中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、81円台からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(79.00〜80.00円)

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 25.00円 現状乖離幅 25.50→26.25円
先週の様子見1.3219から若干上昇しており、今週は弱めの売りシグナル1.3250が点灯している。中期チャートにおいては逆に弱めの買いシグナルが点灯しており、1.3000〜1.3400のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.3150〜1.3200)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −5.00円 現状乖離幅 −3.10→−4.05円
先週の買いシグナル1.0380から上昇に転じており、今週は弱めの買いシグナル1.0467が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが点灯しており、1.03000割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.0550〜1.0650)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 14.00円 現状乖離幅 14.75→13.95円
先週の買いシグナル0.8191から若干上昇しており、今週は弱めの買いシグナル0.8225が点灯している。中期チャートにおいても弱め買いシグナルが点灯しており、0.81前後からの押し目買いに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8250〜0.8300)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 0.00円 現状乖離幅 −0.65→−1.65円
先週の様子見0.9920から下落に転じており、今週は買いシグナル0.9799が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9900〜1.0000)

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 45.00円 現状乖離幅 49.95→50.35円
先週の売りシグナル1.6125から更に上昇しており、今週は強めの売りシグナル1.6270が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.63前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.5800〜1.5900)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −7.00円 現状乖離幅 −8.15→−8.30円
先週の弱めの買いシグナル0.9091から若干下落しており、今週は通常の買いシグナル0.9063が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、0.9000割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9150〜0.9200)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 19.00円 現状乖離幅 17.85→18.00円
先週から乖離幅はほぼ変わらず、今週も引き続き、短期チャート・中期チャート共に、弱めの豪ドル円買い・NZドル円売りシグナルが点灯している。過去の週間ごとの乖離幅経緯は以下の通り。16.85→17.45→15.95→15.55→15.85→15.75→17.60→17.75→18.75→19.05→18.75→18.75→17.75→19.10→19.10→18.40→18.75→18.75→18.65→18.30→18.70→18.45→18.50→18.65→18.95→19.00→20.00→19.45→19.50→18.90→17.95→17.25→17.30→17.85→18.00円★ターゲット(18.50〜19.00円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均255円。2009年度平均224円、2010年度平均222.70円、2011年度は1月平均192.55円。2月平均195.30円、3月平均196.00円。4月平均203.80円、5月平均197.15円、6月平均195.60円、7月平均194円、8月平均187.70円、9月平均183.10円、10月平均181.95円、11月平均は182.70円。12月平均180.75円、2012年度1月平均175.95円、2月平均182.95円、3月平均191.30円、4月第1週193.35円、第2週は188.30円、第3週は186.70円、第4週は189.35円、そして、今週はユーロ円106.40+ドル円80.30=186.70円と再び円高圏内に位置している。(目安*180円以下は円売り局面⇔195円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 20.00円 現状乖離幅 23.70→24.25円
先週の買いシグナル0.8195から若干下落しており、今週も引き続き通常の買いシグナル0.8144が点灯している。中期チャートにおいては強めの買いシグナルが点灯しており、0.81前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8300〜0.8400)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 18.00円 現状乖離幅 18.10→17.80円
先週の弱めの買いシグナル1.2018から変化はなく、今週も引き続き弱めの買いシグナル1.2009が点灯している。中期チャートおいては通常の買いシグナルが点灯しており、1.200割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.2100〜1.2200)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 38.00円  現状乖離幅 40.25→41.80円
先週の弱めの売りシグナル1.4660から上昇に転じており、今週は売りシグナル1.4746が点灯している。中期チャートおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.48前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.4500〜1.4600)

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*本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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