ドル円実需売買に挟まれ81〜82円の凡戦相場?
注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では事前予測通りに金利は据え置かれる中、2012年米成長見通しの上方修正や米10年債利回りの上昇などもあり、ドル円は一時81.70前後1円まで上昇していたが、その後のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見において、追加緩和策に含みを残したことから、再度、円買いの動きが強まり、結果的には上げ幅を解消して終えている。
FOMC声明では少なくとも2014年終盤まで異例に低い金利正当化、極めて緩和的な金融政策の運営姿勢維持する中、失業率は下がってはいるが高水準にとどまる旨が発表されている。その後のバーナンキ議長は現在の金利水準が適正であるが、同時に、追加策の用意は残している事を述べた上、今後の米経済動向は依然不透明であるが、いずれかの時点では利上げの可能性を示唆するなど、欧州財政危機を背景にして、玉虫色の見解にとどまっており、景気回復期待とは裏腹に金融政策の限界が垣間見られている。
一方、米低金利長期化が再確認されたことを受けて、NYダウは13,000ドル台をキープ、株高・円安の構造には変わりがないが、明日に控える日銀政策会合において、更なる追加緩和策が加味されれば、円売りに弾みがつく可能性があり、当面、過度な円高志向は後退局面にあると言わざるを得ないだろう。いずれにして、大型連休を控えている関係上、実需売買の減少などを背景に、どちらにも積極的にポジションを傾けにくい相場環境にあるため、ここは相場の動意付けを待ってからの始動が得策であろう。