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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円82円時期尚早!ユーロドル1.32台半ばが重石?

2月の米ケース・シラー住宅価格指数は、前年同月比で3.5%低下したものの、下落率は前月から縮小、また、3月の米新築住宅販売は前月比で減少したが市場予想は上回る内容となったことから、総じて、リスク選好型のマーケットとなり、為替市場ではユーロが買い戻される中、円買い圧力がやや後退しており、ドル円、クロス円は前日の下げ幅を取り戻す展開になっているが、総じて、小康状態の調整相場と言わざるを得ない。
一方、フランスやオランダなどの政局不安が高まる中、イタリア、スペイン、そして、オランダ債入札が無難に消化されたこともユーロの底堅い状況を作り出している。オランダ・イタリア債利回りは低下傾向を示しているが、スペイン債利回りは上昇過程にあるだけに、予断を許せない状況が続いており、ユーロドルは、一時1.32台を回復しているものの、上値は限定的と判断するのが無難であろう。
他方、本日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明発表や、その後のバーナンキFRB議長の記者会見などに注目が集まるが、既に0.25%の金利据え置きと共に、追加金融緩和や超低金利政策が長期化するとの見通しが強まっている関係上、相対的にポジション調整色が強まる傾向は否めず、サプライズ的な動きは期待薄と判断して、直近のレンジ幅で逆張り志向で臨むことが得策であろう。
その他では、豪ドルは豪経済指標の悪化を受けて、利下げ観測が先行している関係上、ポジション解消売りに圧されて、上値の重い展開にはなっているが、機関投資家にとっては未だに、主要通貨の中では高金利の優位性を重視しており、引き続き豪ドル円83〜85円のレンジ幅の中で売買を模索することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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