G20巡り試行錯誤!ドル円82円目指す展開?
日銀当局者が緩和的な金融政策を維持する意向を示したことが手掛かりに円が主要通貨の大半に対して下落、ドル円は81円台半ば前後で堅調に推移している。また、スペイン政府が実施した国債入札がおおむね順調な結果となったことを受け、機関投資家などからショートポジション調整の買いにより、ユーロドルも底堅さを取り戻しつつあるが、依然として、両通貨共に狭いレンジ相場の域を脱していない。
一方、本日は、ワシントンで行われるG20財務相・中央銀行債際会議において、欧州債務危機の封じ込めに向けた国際通貨基金(IMF)の財源強化が最大の焦点になっている。現時点では、加盟国から約3,200億ドルの拠出表明があったと明らかにされている。日本は既に600億ドルの拠出金を提示しているにもかかわらず、米国が議会の反対を受けて、拠出金には応じない方針を打ち出しており、また、新興国もユーロ圏(2,000億ドル)の自助努力が足りないとの理由から、積極的な取り組みには足踏みを余儀なくされるなど、IMFの当初の目標である4,000億ドルには到達しない見込みであることから、未だに、ユーロは不安定極まりない上昇局面と言わざるを得ないだろう。
他方、白川日銀総裁が、消費者物価の前年比上昇率1%を目指し、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により金融緩和を推進していく姿勢を強調したことを受けて、円売り志向は強まっているが、リスク回避や実需及びポジション調整による円買いが82円台で散見されているだけに、一方的な円売り相場にはなりづらい相場環境にある。