スペイン入札結果如何によらず、ユーロの反発は限定的?
相変わらず、スペインへの財政懸念は根強く、ユーロドルは一時1.3060近辺まで値を下げる場面もあったが、先の短期債入札が目標額に達しているため、一部で本日のスペイン債入札(2年、10年債)も順調に消化されるとの期待感からユーロを買い戻す動きが広がっている。とは言え、日米国債の利回りが低下傾向にあり、リス回避の動きには歯止めが掛っていないのが現状である。また、イタリア政府が財政均衡の達成を目指す時期を先送りしたほか、スペインの銀行の不良債権比率が1994年以来の高水準に上昇していることも、ユーロの上値の重さに繋がっており、反発は限定的とみなすのが順当であろう。
いずれにしても、本日のスペイン債入札に注目が集まる中、蓋をあけるまでは試行錯誤が続くが、ある程度の乱高下は避けられない情勢にあり、戻り売りを軸として、1.3000~1.3200レンジ幅で対応することが賢明であろう。
一方、日銀の西村清彦副総裁は、当局は今後も追加的な手段を講じる姿勢にあると発言、同副総裁は世界の経済成長が勢いを増したとしても、追加緩和が必要となる可能性があると示唆したことが起因して、円が主要取引通貨に対して続落しているが、ユーロドルと同様に、80.50〜82.00円のレンジ相場の域を脱していない。
他方、通関ベース貿易収支が発表され、赤字幅が826億円(予想2,232億円)と改善されたが、反面、季節調整済みでは、6,213億円(予想4,463億円)と悪化しており、反応は限定的になっているが、今後も貿易収支の悪化が見込まれており、円売り志向は根強いものがある。