ユーロ不安定な上昇局面!戻り売りに専念?
スペイン10年債利回りは6%超と欧州債務危機が拡大しているとの懸念を背景に、ユーロドルは瞬間的に1.3000を割りこんだが、ストップロス並びにオプショントリガー狙いによるところが大きく、市場は達成感と共にユーロショートを解消する動きが目立ち、反発気味に1.31台半ば近辺まで上昇するなど、欧州財政危機を背景に浮き沈みの激しい状況が続いている。しかしながら、特筆すべきユーロ買い材料は見当たらず、市場のコンセンサスが戻り売りに視点が注がれており、上値の重さを意識せざるを得ない状況にある。
一方、金融市場では欧州債務危機が燻ぶる中、スペイン国債の入札が19日に控えているが、現段階ではECBによる資金供給の枠組みの中で無難に消化されているが、財政再建計画が遅れているスペインが欧州圏で第4位にある財政難はギリシャの比ではなく、日増しに信用不安が増殖している。それ故に、次回の入札自体が困難を極めるとの見方が先行しており、ユーロの戻りは限定的との思惑が働いている。当面、ユーロの戻り売りを軸に1.3000〜1.3200のレンジ幅で売買を模索することが賢明であろう。
一方、昨日発表された米3月小売売上高が好結果となったことを受け、円高は一服しているが、その後は欧米株価の上げ幅拡大を背景に対主要通貨でドル売り圧力が高まる中、米10年国債利回りの低下を踏まえたこともドル売りを誘発、日米金利格差の縮小を背景に、ドル円は上値の重い展開を強いられている。ただ、ドル円80円前後では利益確定買いや実需の買いが旺盛であり、下値は限定的と判断するのが順当であろう。