ドル円80円&ユーロドル1.3000前後で反発期待強まる?
先週の中国の第1四半期GDPが予想を下回ったことから、欧米株式市場が軟調に推移する中、米国債10年物利回りも再度2%割れへと相対的にリスク回避の動きが強まったことを受けて、為替相場は消去法的に円買い圧力が増している。また、スペインの金融機関による3月分のECBからの借入額が前月から倍増しており、スペイン金融システム不安が再燃すると同時に、スペイン10年債は一時6%台まで上昇を速め、また、5年債CDSも過去最高に拡大しており信用不安を更に強めたことがユーロ売りに拍車をかけている。
一方、シカゴIMM通貨先物市場では、ユーロショートが10万枚台に拡大し、5週間ぶりの高水準となった他、円ショートは7週連続の6万6千枚と2007年以来の高水準にある。総じて、リスク回避志向が鮮明になっている現れであるが、反面、市場のコンセンサスとしては、ユーロドル1.3000やドル円80円割れには警戒感を強めている関係上、積極的な投機筋のショート派は自重せざるを得ず、両通貨共に、利益確定買いに伴い、反発機会を窺う展開が予想されるだけに、現状レベルからのショートは自重した方が賢明であろう。
他方、欧州財政懸念と共に、中国経済成長の鈍化が加わり、米経済回復時期が大幅に遅れる可能性が浮上するなど、市場は混迷を極めているが、総じて、リスク回避による円買い志向が強まる外部環境にあると言わざるを得ないが、政府日銀としては、日本経済の活性化のためにも80円割れを阻止する構えが有力視されており、当面、追加金融緩和や円売り介入操作が台頭する可能性があり、総じて、神経質な相場展開に陥ると判断するのが無難であろう。