米経済への回復期待に脆弱性!ややドル売り優勢の展開?
北朝鮮ミサイル発射が失敗に終わるとの報道があるものの、市場の反応は限定的になっている。その影響ではないであろうが、NYダウ平均の上昇の流れを引き継ぎ日経平均株価は前日比88円高で取引されており、やや円売りに傾斜しつつある。
一方、昨日は複数の要人発言が伝えられているが、ダドリーNY連銀総裁は、米経済はリスクに直面しており、強い逆風受けており、失業率8.2%は、なお受け入れがたい高水準であり、追加緩和の可能性を指摘している。また、ラスキンFRB理事は回復ペースが上向きつつあるが、長期失業問題はじめ明らかに道のりは長いと述べる中、一段の緩和政策姿勢は株価や資産価値引き上げるが、ドル相場の価値は引き下げることを指摘。一方、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁は前回と同様に、追加緩和は必要なしとの認識を示したうえで、2013年のある時点、もしくは2012年の終盤に利上げを着手する必要があると述べ、そして、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁は経済のシグナルは追加緩和の必要性を示していないと述べ、現時点でのQE3実施に否定的な見解を示すなど見解が分かれているが、欧州債務問題や中国経済の減速懸念などが絡み、相対的に米経済の見通しを安易に語れない状況になっている。
他方、ユーロドルは欧州債務危機が一服したことを受けて、ポジション調整の買戻しが強まり、一時1.32台まで上昇する場面も見られたが、欧州経済の脆弱性を加味して、更に上値を追う展開には至っていないが、ユーロショートの膨らみが顕著になっているため、もう一段の上昇を視野に入れて臨むことが一考であろう。