売買材料希薄!ドル円81円・ユーロドル1.3100前後で一進一退?
欧州債券市場では、欧州中央銀行(ECB)がECBの国債購入再開の可能性に言及したことを受け、懸念されていたスペイン債及びイタリア債利回りが低下したことを受けて、一時ユーロを買い戻す動きが強まり、ユーロドルは1.31台半ばまで上昇する場面があったが、欧州債務危機への警戒感は根強く、同レベルではポジション調整売りが優先され、再度1.31前後の攻防になっている。
一方、日米欧は金融危機を克服のため、相次ぐ追加金融緩和策で凌いだ事で、これまでの株価の上昇要因に繋がっていたが、同時に、過剰流動性資金により、金および石油価格などの高騰を招くなど、金融緩和政策自体の是非が問われている。今後、欧州債務危機を背景に米国及び中国経済の鈍化が示されれば、もう一段の金融緩和策が浮上しているが、これまでと同様な株高の構図は描きにくいだろう。また、昨日は日経平均株価が9,500円割れへと7営業日続落しているように、経済の回復傾向が鮮明にならない限りは、株安・円高の相関性が徐々に増す可能性は否定できないであろう。
他方、米連邦準備理事会(FRB)が11日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、2月半ばから3月下旬にかけて米経済が引き続き緩やかに成長しているとの認識が示されている一方、ガソリン価格などの高騰により、エネルギー製品の価格上昇を懸念し始めているとしているが、イラン情勢が進展しておらず、原油価格の高止まりが予想されるだけに、ドルの上昇は限定的にならざるを得ない。
いずれにしても、様々な要因が混在しており、短期筋としても、積極的な売買志向が後退しているだけに、繰り返しになるが、相場が動意づくまでは少なめの売買で対応することが得策であろう。