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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米雇用統計に過剰期待禁物?

先のスペイン10年債利回りの上昇や世界株安の影響を受けて、ユーロドルは一時1.3000割れ窺う展開になっている。そして、今晩発表される米3月雇用統計への改善期待が加わり上値の重い展開を強いられているが、既にある程度折り込まれている可能性が高いため、短期筋としても、更にユーロショートを積み上げるリスクが浮上している。
未だに、ユーロのポジション調整売りが一巡したかは定かではないが、大きな節目である1.3000を目前にして、ストップロス狙いのユーロ売りに対する警戒感が浮上している。
反面、1.3000の達成感などを踏まえと、下げ渋る展開も予想されるだけに、同レベルからのショートは自重局面と判断するのが無難であろう。
とは言え、ユーロ圏の重債務国の火種が燻ぶり続けている間はロングを控えねばならず、ユーロの戻り売りに活路を見出すことが得策である。
一方、ドル円はリスク回避による円買い需要が増す中、潜在的な円売り志向は払しょくされておらず、再びドル円82前後で小康状態を保っているが、今晩の米雇用統計が改善されたとしても、ユーロ圏側からの悪条件が重ならない限りは、過度な円高期待は禁物かも知れない。
ちなみに、イースター休暇で欧州圏は休場、そして、NY市場は株式、商品は休場、債券は時間短縮となっており、為替市場だけが通常取引となるが、投機筋が仕掛けやすい相場環境にあるだけに、相場の動意付けを待ってからの始動が賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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