米雇用統計&イースター控え、調整色強まる?
先のFOMC議事録における追加緩和期待が後退したとの観測が高まる中、過剰流動性資金の先行き懸念などが圧迫材料となり、株式市場のみなら商品市場も下落基調を強めている。一方、昨日のECB理事会では事前予想通りに全会一致で金利は据え置かれたが、その後のドラギECB総裁の会見では、景気見通しは下振れリスクがあるが、経済指標は安定化の兆しがあり、ユーロ経済は段階的に回復傾向にあることを指摘し、金融市場の混乱は沈静化しつつあるとも述べている。しかしながら、出口戦略に関しては時期尚早との見解を示すなど、相対的に不透明感は拭えない。また、昨日のスペイン債入札が不調に終わり、スペインの財政再建に対する疑念が生じたこともユーロの調整売りを誘発させている。
それ故に、一部ではユーロドル1.3000割れを危惧する声も少なくないが、現時点においては、ECBやIMFの潤沢な供給支援により、ユーロ債務危機問題が小康状態にある以上、過度なユーロ安期待は自重局面にある。また、バーナンキFRB議長は金融緩和(QE3)に含みを持たせているため、明日の米雇用統計を見極めるまでは、過度なユーロ売りは自重することが一考であろう。
他方、昨日の米3月ADP全国雇用者数が市場予想を上回る結果であったが、市場は明日の米3月雇用統計に注目しているため、実需の売買に挟まれた格好で、ドル円82円台半ば前後で身動きが取れない状態が続いている。また、米雇用統計のみならず、イースター休暇を意識する中、市場はポジション調整主体の展開にならざるを得ず、直近のレンジ幅82〜83円で対応するしか妙味はないだろう。