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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

量的緩和解除の期は熟しても、気が熟しておらず!

シルバーメダルに見えませんかね?

シルバーメダルに見えませんかね?

トリノオリンピックも中盤戦であるが、昨晩は女子のカーリング日本対スウェーデン戦を明け方まで見てしまったが、フィギュアスケートのような派手さは全くないが、投げた後の表情がすばらしかったですね。1回から9回まで攻防があり,スコアは野球のようであり、デッキブラシをもった姿は氷上のゲートボールのような感覚でもありましたが、『氷上のチェス』と言われるほど頭を使うスポーツであることを再認識した次第です。それにしても取れませんね、メダルが。選手112名、役員126名を送り出した日本オリンピック委員会が一番心配をしているのでしょうが、背伸びすると為替も上手くいかないように、くれぐれも実力と照らして臨んでいただきたいですね。
▲先週のビックイベントがバーナンキ新FRB議長の議会証言に尽きるが、ドル円のレンジ幅が示しているように117円割れの下値も厚いが119円台までの上値も重い展開が避けられないと素直に受け取るべきであろう。米経済の好調さが保たれているとは言いながらも、一向に削減されない双子の赤字を抱え、貿易不均衡を訴え続ける姿は釈然としないはずでもあり、常に米経済の不透明感をイメージさせるマーケットと言える。連続的な利上げサイクルがキープされている以上は、米ドルの急落も防ぐことは可能であるが、それ以外は不安要素が山積している状態でもあり、これからはソフトランディングに向けての対策に追われることも考えられ、米ドル主導の相場ではあるが、波乱含みの展開が避けられない。一方、日本政府の対応も慎重すぎるほど慎重であり、すでに予防線とも思われる発言が日銀筋から見られ、その上、日本政府の見解も量的緩和解除だけでは精一杯の感があり、利上げのメドが立たない現状では、米国の顔色を窺いながらの金融政策となると、『期は熟していると言えても、気は熟していない』段階である。
▲3月末に向けてFFレートの利上げが確実視され、そしてECBの利上げも濃厚な状況だけに、金利戦争では乗り遅れている円のキャリートレードが先行し易いが、原点に帰ることも必要である。 通常では、金利の低い国の通貨は強く、金利の高い国の通貨は弱いという背景は常に存在するはずである。しかしながら、世界の基軸通貨である米ドルに関しては一概には言えず、今後はポンドを凌ぐ高金利通貨になると資金の流れは米ドルに集中することも否定出来ない。もちろん、高金利政策が米国流の資金還流手段の一つでもあるが、インフレの懸念と米財政懸念との二人三脚では長続きはしない。一部の投資家はオセアニア通貨へのシフトも考慮するが、市場規模からすれば、ごく一部の流動資金にしか過ぎず、大勢には影響しない。それゆえに米ドル以外の選択肢を摸索する市場でもあり、株、金、そして原油などの相場にも多大な影響を与えるのかもしれない。今後も為替の乱高下が予想されるだけに、ポジションの縮小も含めて、ストップロスを丁寧に置きたい相場である。特に米ドルの下値には要注意と考える。
▲いずれにしても、高金利の米ドルは捨て難い魅力ではあるが、もう一つ付け加えれば、米国が述べている柔軟性のある為替相場が意味することは米国自信がコントロール可能な為替相場であり、最終的には米ドルを上げることも、下げることの術を知っており、それが世界の消費大国としての誇りでもあり、牽引力に繋がっているとも言える。とは言いながらも、中国経済の急速な発展に脅威を覚え、為替コントロールもままならない状態では、米国経済の安定には時間が要すると見るのが賢明である。

*******今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
*作成年月日 2006年2月18日(土)
米ドルの乱高下が示すように、落ち着きのないマーケットが続いている。今週も目が離せない相場となるが、相対的には米ドルが弱冠ながら、強含みの傾向が生じており、通貨ペアの歪みが生じはじめている。現状では米ドル売りを積極的に勧める状況ではないが、もう一段の上昇があれば、米ドルショートでも充分に楽しめるシナリオが完成する。少な目の米ドル売りでスタートを開始したい。そして、オセアニア通貨の裁定取引も拡大基調が鮮明なだけに、妙味がある展開が期待できる。
▲ドル円 【ユーロドル⇔ユーロ円】
依然としてドル円の売りシグナル点灯中。ドル円118.05売り
118前後からの売りを1ST ステップとして、119台までの売りシナリオも考慮。
▲ユーロドル(『ドル円−ユーロ円』平均基準乖離幅25円 現状乖離幅22.85円)
先週1.1905の買いから、今週は1.1940の売りで利益確定、現状では同レベルで様子見に移行している。
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅30.80円)
先週の買いシグナル0.7378に続き、現状0.7390でも買い継続中。 
★NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅33円 現在39.15円)
乖離幅が37.90円から、さらに拡大中、第二ステップの買い突入へ 0.6684
乖離幅の経過34.50→37.00→37.40→37.15→37.90→39.15円
買い継続0.6684
★カナダドル(ドル円−カナダ円 平均基準乖離幅18円 現状乖離幅15.45円)
先週の売り1.1539レベルでポジション解消。今現在1.1505は様子見段階。
★ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅25円 現状乖離幅30.05円)
ポンドの買い継続中1.7416 少なめ
★スイスフラン(ドル円−スイス円 平均基準乖離幅23円 現状乖離幅27.95円) 
売りシグナル点灯中 売り継続、1.3102
★豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅6.50円 現状乖離幅 8.35円)
7.00円から8.35円まで急拡大、再びチャンス到来 豪ドル円売り・キュウイ円買い 
過去の経緯(1週間ごと)
4.25円→5.75円→6.45円→7.20→6.40→7.90→8.05→7.30→7.00→8.35円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(255円以下は円高&260円以上は円安の目安) 
253.05円→255.25円→259.10→261.90→258.15(先週)
今週140.90+118.05=258.95円 当面のレンジ255~260円
255円割れの買いと260円台の売り推奨
●欧州通貨ペア開始しました。
ユーロポンド=0.6853 売り、ユーロスイス=1.5638売り、ポンドスイス2.2817様子見
新外為の森 参照
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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