年度末を意識、ポジション調整主体の展開へ!
米商務省が発表した2月の米耐久財新規受注は、市場予想割れの2.2%増、そして、民間設備投資の先行指標となる数値も予想を下回るなど米経済の回復に水を差す結果ではあるが、市場は3月年度末を控え、ポジション調整主体の展開を強いられている。本邦サイドでは、輸出企業のレパトリなどが意識される中、ドル円は83円台では上値の重い展開を強いられているが、更に円買いを助長する材料もなく、狭いレンジでの攻防が続いている。
一方、ユーロ圏財務相会合の声明草案によると、ユーロ圏各国は債務危機の収束に向けて、救済基金の上限を向こう1年間9400億ユーロに引き上げる準備を進めていると報じられている。明日のユーロ圏財務相会合において、暫定基金の欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が融資を約束している計2000億ユーロと、恒久的な基金である5000億ユーロの欧州安定化メカニズム(ESM)を並行して稼働させること可能性が高いとされているが、同時に、異例な事態が生じ、ESMの資金では不十分という状況になった場合は、ユーロ圏各国の首脳による全会一致の決定により、EFSFの未使用分2400億ユーロを2013年半ばまで利用することを容認する方向で進めているとも伝えられている。
他方、欧州中央銀行(ECB)理事会バイトマン独連銀総裁は、ユーロ圏救済基金を拡充することは、財政・政治上の問題を引き起こす以外の結果をもたらさないとして、警戒感を示しており、スペインやポルトガルの脆弱性が解消できない以上、ユーロ各国の温度差は依然として根強く、ユーロの持続的な買い戻しには繋がっていない。