ドル円83円前後で膠着!ユーロドル1.34前後が重石?
米3月消費者信頼感指数は70.2に低下する中、期待指数も83.0と前月88.4から低下しているが、現況指数は51.0(前回46.4)と、2008年9月以来の高水準とまちまちであり、市場の反応は限定的である。その中、連日、バーナンキFRB議長の発言が話題に上っているが、昨日も米経済の回復はまだ確実とは言えず、失業率は高過ぎるとの認識を示し、FRBが「完全な回復軌道に乗ったと確信」できる状態ではまだないと指摘している。また、他の連銀総裁からも最近の指標は金融情勢の改善と労働市場の前進に一致しているものの、雇用水準はFRBのインフレ抑制と雇用最大化をかなり下回っており、金融緩和は二大政策目標が実現可能になって初めて解除されるものであり、失業率の高止まりや経済成長が予想以上に減速すれば、一段の政策緩和が望ましい。そして、米経済は現在緩やかなペースで拡大し続けているものの、国際金融市場の緊張はまだ経済見通しの著しい下振れリスクにあり、欧州動向が米経済の成長と雇用の見通し大きく左右すると慎重姿勢を崩しておらず、現状の米低利金利政策の長期化は避けられない情勢である事が改めて意識されている。一方、ユーロ圏では、ショイブレ独財務相が向こう3ヵ月は新たな支援策は必要なく、EFSFの未使用分をESMに移すことは無いだろうなどと述べたことにより、ユーロの買い戻しは1.3400には届かず、利益確定売りに圧された格好で上値の重さが意識されている。
他方、円相場は本邦の貿易赤字拡大懸念には一服感があるが、原油価格の高止まりなどを背景にして、経常黒字の縮小化が避けられない状況なだけに、依然として、円売り志向は根強いものがある。