ドル買いの流れ優先!反転時期を模索?
米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は昨日の講演で米景気の脆弱性を指摘する中、同議長は米経済にはこのところ改善の兆候が見られるものの、景気回復は苛立たしいほど鈍く、採算が取れる融資の機会が抑制されており、少なくとも2014年遅くまで政策金利をゼロ近辺に据え置くことが正当化される可能性が高いと慎重姿勢を維持している。
内容的には前回の講演と変わらず、市場の反応は限定的であるが、依然として、米景気回復期待によるドル買いの流れが続いてはいるが、株式市場の過熱感と共に米景気回復期待がやや先行しているため、反転時期を模索する側面がある。
一方、日米金利差を背景にして、ドル円は85円台が視野に入りつつある。今後も米国債利回りが上昇すればドル高が更に進行するはある反面、米国が大幅な財政赤字を抱えている現状を踏まえると、米債利回りの上昇は財政負担の拡大をもたらし、今後も失業率の高止まりや住宅関連の墜ち込みなどに繋がる可能性がある。また、米国の景気回復の指針でもある「ドル安容認姿勢」を転換するほど強固な米経済とは言えず、ドルの上昇には歯止めがかかり易い相場環境にある。そして、最近の原油価格の上昇により、ドルを積極的に買い戻す動きが後退する可能性は否めず、現時点において、一方的なドル買いの構図は描きにくい。
他方、ユーロドルも節目である1.3000を目前として、神経質な展開が予想される。ある程度は損失確定売りが一巡した可能性があるが、相場の慣性としては、1.3000割れは必至の状況にあると言わざるを得ないだろう。反面、反発時期に差し掛かっているため、現状ではストップロスを小刻みに置き、ユーロドル1.3000割れからの押し目買いを一考することがリスクは軽減に繋がるであろう。