ドル円82円台への足固め!ユーロ戻り売り顕在化?
日米の金融政策決定会合を控えて、積極的な売買は手控えられているが、昨日、ショイブレ独財務相はユーロ圏財務相会合では、金融取引税に関する決定事項はないものの、ギリシャの第2次支援プログラムは週内に署名されるだろうと述べており、ギリシャへの第2次支援は明日にも決定される見通しから、ユーロを買い戻す動きに傾斜している。
ただし、ギリシャに関しては民間との債券交換も高い参加率で終えたものの、債券流通市場でのギリシャの新発債の取引の動きは芳しくなく、ギリシャ10年債利回りは、依然として、19%近辺まで上昇しており、予断を許せない状況には変わりがない。
一方、ユーロ圏財務相会合の中ではギリシャが緊縮政策を継続すれば新たな救済策は必要ないはずだと語ってはいるが、ギリシャ自体の実効性が問われている現状では、ユーロの下値懸念は一向に払しょくされていない。そして、本日のユーロ圏財務相会合を控えて、独財務相はスペイン財務相とも事前協議しているように、会合での議題がギリシャからスペインの財政赤字問題へ移行している事を如実に表している。ギリシャ債務問題の収束がないままに、ユーロ重債務国に対する先行き懸念は、依然として根強い環境にあるため、ユーロの反発は限定的と言わざるを得ないだろう。
他方、中国人民銀行の副総裁は日本国債への投資について、円高局面が加速する場合には或る程度減らすことを言及している。基本的には円外貨準備比率の低下を促す発言あるが、日中間では双方の国債を持ち合うことに合意しているため、中国が即座に円債売却との構図は描きにくいが、円債への投資が小休止すれば、今迄のような加速的な円高懸念は後退する可能性が強まっている。