ユーロ買い材料に出尽くし感!戻り売り優先?
ギリシャ政府はソブリン債再編で集団行動条項を発動するのに十分な申し込みを得た結果、債務交換の参加率は最終的に5.7%になる旨を発表している。市場には一時安堵感が伝わり、日経平均株価が今年の高値を更新、円安や中国経済の物価上昇率などが好感され、日経平均は一時、約7カ月ぶりに1万円の大台に乗せている。しかしながら、ユーロは過熱感や利益確定売りに圧された格好で終始軟調に推移している。
冷静に捉えれば、大多数の銀行や投資家の負担増になることは明白であり、欧州金融機関
の損失拡大に繋がることが改めて認識されている。それ故に、市場のコンセンサスはユーロ買いを促進するよりは、リスク回避志向から戻り売りに専念している傾向にあると言えるのかもしれない。また、債券市場ではECBによるか過剰供給資金により、イタリアやスペインの債券利回りが7%から5%まで低下、表面的にはユーロ債務危機は一服しているが、今後、ギリシャのデフォルト問題を教訓として、欧州の不良債権処理が更に進行する可能性があり、重債務国の利回りが再上昇すれば、ユーロ売りに弾みがつく可能性があるだろ
う。