ドル円・ユーロドル共にレンジ相場へ!仕掛けづらい相場環境?
昨日、温家宝首相は中国経済成長率を昨年までの8%から7.5%に引き下げる旨を表明、市ではユーロ債務危機を背景に世界経済の減速懸念が高まる中での発言なだけに、更にリク回避の動きが強まりつつある。既に、為替のみならず、株式・債券、そして、商品市場への影響が案じられているが、反面、先進国がデフレ経済に直面する中、中国経済が7.5%の成長率を維持できている事は歓迎すべき事実なのかもしれない。
一方、ギリシャの債務交換の条件に対する合意期限が8日に迫る中、ドイツ銀など国際金融協会(IIF)加盟の12行がギリシャ国債交換へ参加を表明したことからユーロドル売り圧力は後退しつつある。そして、ベニゼロス・ギリシャ財務相はギリシャ債交換に関して、集団行動条項(CAC)の行使を準備しており、債務交換が最良、唯一の提案であることを指摘、債務交換参加でCDS決済を回避できるとしている。そして、対GDP120%の赤字目標についても達成可能だと言及、債務交換後は第3次救済が不要になるとの楽観的な見方を強調しているものの、市場はギリシャ側からのコメントには懐疑的な見方が先行しているためユーロの買い戻しは限定的と言わざるを得ない。
他方、ドル円は81〜82円のレンジ相場の中、日本貿易収支の悪化懸念を背景に、81円前後では信託筋や機関投資家などの実需買いが観測されており、底堅い展開が予想される。反面、82円台では実需売りと共に利益確定売りが控えるなど、安易には仕掛けづらい相場環境になっているが、米経済指標の改善が相次いでいる関係上、米景気回復期待が高まりからと共にリスク回避の動きが停滞しており、総じて、円高懸念は希薄になっている。