ドル全面高も賞味期限短し!再度レンジ相場へ突入?
バーナンキFRB議長の議会証言において、雇用市場は依然正常からは程遠く、FRBの政策指針は2014年終盤まで0から0.25%に維持することが引き続き適切と慎重姿勢を見せる中、FRBの量的緩和第3弾(QE3)の可能性には触れておらず、むしろ、最近のガソリン価格上昇に懸念を示したことから、市場のQE3への期待は大きく後退している。
これらのFRB議長の発言を受けて、過熱感のあるユーロ売りが進行、相対的にドル買い志向が強まる中、ユーロドルは1.34台後半から1.33台前半まで急落、そして、ドル円は再度81円台に上昇するなどドルの買い戻しが優先されるなど混迷を極めている。また、米商務省が発表した2011年第4四半期の国内総生産(GDP)改定値は、前期比年率で3.0%増と速報段階の2.8%から上方修正されたこともドルを買い戻す動きに繋がっている。
一方、欧州中央銀行(ECB)は2回目となる期間3年の流動性供給オペ(LTRO)を実施、合計800金融機関から5295億ユーロの供給要請があり、ECBは全額を供給する運びになっているが、供給額は昨年12月(初回)に523金融機関に実施した4,890億ユーロを上回り、ECBの資金供給額は合計で100兆円を超える規模まで拡大したことになる。反面、先に白川日銀総裁が指摘しているように「時間を買う政策手段」に過ぎないとの声も少なく、今後ギリシャなどの重債務国の進捗状況次第では、更なる資金供給に追い込まれる可能性を背景にユーロのポジション調整売りを誘発している。