ユーロドル1.35台必至も急落の狭間?
月末を控えて、相対的に様子見モードが強まる中、米2月消費者信頼感指数の上昇や原油値下がりをきっかけに米景気に対する楽観的な見方が広まり、NYダウ平均株価は終値ベースで2008年以来初めて13,000ドル台を超えている。為替相場自体への影響ポジション調整主体で限られている。
一方、欧州圏ではアイルランドが欧州連合(EU)の財政協定批准の是非を問う国民投票を実施すると発表したことで、批准拒否の可能性が警戒され、一時ユーロ売りが進行したものの、本日の欧州中央銀行(ECB)の3年物資金供給オペを控えて、ユーロを積極的に売りにくい状況の中、ユーロはじりじりと買い戻されているが、反面、ユーロドル1.35台に対する高値警戒感と共に、利益確定売りなどの反動売りにも注意を払わなければならず、不安定な高止まり状態にあると言わざるを得ない。
他方、明日からのユーロ圏首脳会議に向けて、財政難に陥った加盟国に対する安全網の拡充についてはメルケル独首相が改めて反対を表明するなど不透明感は強いが、一部では、ドイツ政府がギリシャのデフォルト危機回避と共にユーロ離脱を危惧している表れでもあり、ユーロ財政危機回避に向けての何らかの改善策で決着する見方が強まっている。
いずれにしても、ユーロの急反発にもかかわらず、ユーロショートの積み上がりが危機として進まず、ユーロ売りを仕掛けづらい環境にあるが、為替相場の慣性としては、1.35台は時間の問題と言わざるを得ないだろう。