ユーロ&ドル円⇔戻り売りに接近中?
日本の国際収支の悪化懸念、日米金利格差拡大への思惑、そして、明日に予定されているECBの第2次量的緩和によるリスク懸念の緩和などの要因が重なり、為替市場は円売りへと傾斜している。昨日発表された2月上旬の本邦貿易収支(速報)を見る限り、76.36億円の黒字となっており、本邦の国際収支悪化懸念が若干後退している事を因となり、円が再び買い戻されているものの、ドル円80円割れには至らず、相対的に、実需売りが希薄になっているため下値圧力は軽減されている。
一方、ギリシャの格下げなどを受けて、ユーロドルは利益確定売りに圧されて上値の重い展開を強いられているが、欧州中央銀行(ECB)による3年物資金供給オペ(LTRO)を前に下値も堅く、株価の持ち直しやドイツ連邦議会がギリシャ支援を承認した報道からユーロを買い戻す動きが早まっている。しかしながら、欧州中央銀行(ECB)からギリシャ国債の担保としての受け入れを一時的に適格担保の対象外とする旨が報じているが、原則的には3月中旬予定の担保スキームが施行されれば、再び適格担保に復活することが伝えられている。また、ドイツ首相によるギリシャ救済について成功を100%保証できないとの見解など、様々な情報が錯綜しており、ユーロは波乱含みの相場形態を余儀なくされている。
他方、ここ数日間でのユーロの急反発により、ユーロショートの解消が予想されたが、シカゴIMM通貨先物市場においては、依然として、ユーロショートが14万枚台と一向に改善されていない。市場心理としては更にユーロショートを積み上げにくい環境にあるため、一旦ユーロドル1.35トライは視野に入れなければならないが、同時に反動売りにも警戒が必要であろう。