ドル円80円台維持が焦点!戻り売りに注意?
円が対ドルで5日続落、先の日本の貿易収支の悪化が意識された円安の流れを引き継ぎ、昨日は80円台半ば近辺へと7カ月ぶりの安値圏で引けている。市場では日米国債利回りの格差が拡大、そして、ギリシャ向けの支援策の合意のもとに、相対的にリスク回避姿勢が弱まったことが重なり、相対的にこれまでの消去的な円買い、そして、円建て資産の投資妙味が損なわれたとの思惑が働いている。また、昨日発表された米中古住宅販売が2年ぶりの高水準を示し、米経済の回復期待も手伝い、ドル買い・円売り志向に傾斜していることが円安要因になっている。とは言え、貿易赤字の拡大懸念が増幅すればするほど、政府・日銀による円売り介入の必要性がなく、日本経済にとっては皮肉な結果とも言えるだろう。
一方、ドル円は急ピッチの上昇により、円ロングの解消が見込まれているが、同時に、過熱感を示すRSIが異常に上昇しているため、ドル円80円台半ば前後から81円台にかけては大量の実需売りと共に、利食い局面と見られる売りが控えている状況である。他方、ユーロ圏ではギリシャ向け救済パッケージ合意でも債務危機の進捗状況には変化がないとの観測が広がる中、格付け会社フィッチ・レーティングスはギリシャを格下げし、デフォルト(債務不履行)する可能性が極めて高いことを指摘しているが、ギリシャのデフォルトが既成事実と化しているため、市場の反応は限定的となっており、ユーロドルは1.32台前半で膠着度を強めているが、当面、13100〜1.3300のレンジ幅の中で売買を模索することが得策であろう。