ドル円紆余曲折も80円台時間の問題!
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)で第2次ギリシャ救済に向けて、最終調整が行われており、一段と期待感が強まっている。ドイツのショイブレ財務相はユーログループの会合開始前、1300億ユーロのギリシャ救済で合意することを確信していると述べ、ユーロは相対的に堅調さを取り戻しつつある。また、週末に発表された中国の預金準備率引き下げを背景としたリスク選好の動きからドルが対円を除き終始軟調に推移する中、財務省が発表した1月貿易統計速報では貿易収支は1兆4750億円の赤字を記録、原発廃止による輸入増や中国の春節休暇による特殊要因もあるが、リーマン・ショック後の2009年1月の9679億円の赤字幅を更新したことを受けて、円売りが加速し、ドル円は約半年ぶりに80円台に迫る展開へと様変わりの展開を強いられている。 一方、注目のユーロ圏財務相会合でギリシャへの第2次支援が承認されるとの期待感が背景となっているとは言え、合意後の実施リスクや、ユーロ圏金融緩和政策の長期化などを背景に積極的にユーロを買い戻す動きも限定的にならざるを得ない。
他方、中国人民銀行(中央銀行)は先に預金準備率を24日から0.5%引き下げると発表、日米欧に加えて中国でも金融緩和のスタンスを強めてきたことを受けて、再度、流動性相場が一段と加速するとの思惑が働き、今後は株価への後押しにはなる反面、為替相場ではIMM通貨先物における投機筋の円ロングやユーロショートの積み上がりの解消を速める要因になる可能性が指摘されており、本邦の貿易収支の悪化などの材料を踏めると、今まで以上に円売りを仕掛け易い相場環境になりつつあるとも解釈できるため、ドル円80円台は必然的に視野に入っていると判断するのが一考であろう。