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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル買い優先相場!ドル円戻り買い・ユーロ戻り売り?

ギリシャのデフォルト懸念を背景に、一時ユーロ売りが加速、節目である1.300割れへの展開を強いられたが、同レベルでは利益確定買いやポジション調整買いにより下げ渋る展開の中、その後、ECBやユーロ圏中銀は保有するギリシャ債の新債券への交換を実施し、来週月曜日までに完了すると一部報道を受けて、ユーロは反発気味に上昇している。そして、ドイツ財務省が「4月のギリシャ総選挙後までギリシャ向け第2支援を延期する計画はない」との見解を示唆すると同時に、ギリシャ政府筋からも「ギリシャと国際支援機関は支援に必要な約3億2500万ユーロの歳出削減の具体策で合意した」との発言を受けて、俄かに20日のユーロ圏財務相会合でギリシャ第2次支援承認の見込みがより強まり、相対的なリスク選考姿勢が強まりを背景に、ユーロドルは1.31ドル台半ば、そして、ユーロ円は103円台後半へとそれぞれ上昇を速めている。しかしながら、今回のユーロの反発は20日のユーロ圏財務相会合に向けて、ギリシャの無秩序なデフォルト回避に対する期待感の表れとも言える段階であり、ユーロ圏の中核国であるドイツ政府が柔軟な姿勢を見せたとは言い難い。それ故に、引き続き1.3000割れに対する危機感は払しょくされていない状況にあり、上値の重い展開には変わりがなく、1.31台半ば以上からのロングは自重局面にある。
一方、ドル円は先の追加金融緩和以来、円売り志向が強まっているが、円キャリートレードを彷彿させるような金利体系ではなく、あくまでもドル円80円に向けて紆余曲折を伴いながらのステップと判断するのが賢明であり、ユーロドルの戻り売りとは逆に、戻り買いに活路を見出すことが得策であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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