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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ減速懸念強まる!1300前後では一旦清算局面?

ユーロ圏財務当局者がギリシャ第2次支援を延期する方策を検討しているとの報道を受けて、ギリシャ救済に対して先行き懸念が強まっているが、むしろ行き詰まりの段階にあると解釈すべきかもしれない。
ユンケル・ユーログループ議長は改めて、来週20日に必要な決定を行う旨を発表し、トロイカ調査団はギリシャ債務持続性に関する報告書提出、そして、ギリシャは3億2500万ユーロの追加削減を設定などが協議される予定であるが、再度延期される可能性もあり、EU関係筋はジレンマ状態に陥っていると言わざるを得ない。
一方、EU関係筋はギリシャのデフォルト(債務不履行)を回避するために、EU/IMF/ECBを交えて、幾度となく議論されてはいるが、ギリシャ政府自体が事実上の破たん国に転落しており、救済措置の限界が垣間見られるだけに、より慎重な会合を継続化している。
いずれにしても、ギリシャのユーロ離脱が現実味を帯びる中、ギリシャに対して更に厳しい緊縮財政策を促したとしても、俗に、デフォルト回避のための時間稼ぎに過ぎない状況にある。また、ギリシャ側がすべての条件を受け入れたとしても、4月に延期されたギリシャの総選挙如何では実効性に欠ける誓約書になりかねず、ユーロの反発は限定的にならざるを得ないだろう。
その中、昨日のユーロドルは1.30ドル台半ば近辺まで下落しているが、ユーロの更なる悪材料が重なれば1.300割れは時間の問題であり、戻り売りに特化した戦略性が望ましいが、節目である1.300割れでは一旦ポジションを清算することが得策であろう。他方、ドル円は78円割れまでには至らず、相対的に底堅さを維持しているが、依然として、リスク回避による円買い需要もあり、どうしても78〜79円のレンジ相場の域を脱する難しさに直面している。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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