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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ一進一退・紆余曲折!待ち時?

ギリシャ議会は懸念されていた財政緊縮法案を賛成199、反対74票と賛成多数で可決、ギリシャは2次支援に必要な同法案の議会承認を取り付けたものの、ギリシャは145億ユーロの国債償還期限を数週間後に控える中、緊縮策には最低賃金の22%引き下げ、年金削減、公務員の大幅人員削減などが盛り込まれており、向こう3年間で国内総生産(GDP)の約7%に相当する緊縮規模となる見通しであり、緊縮策に反発する国内デモが過激化しており、一難去ってまた一難とギリシャ債務危機を巡り混迷を極めている。一応、市場はギリシャ議会の緊縮関連法案可決が報道されると、ユーロドルは1.32台半ばまで買い戻されてはいるが、依然として、下値懸念の残る上昇局面と言わざるを得ず、4月の総選挙後の緊縮財政の持続性や15日のユーロ圏財務相会合で最終支援が決まるまではユーロ相場は一進一退の展開を余儀なくされている。
他方、先週末に格付け会社S&Pはイタリアの34の銀行の一斉格下げを発表するなど、他の重債務国への波及懸念が高まる中、ユーロ圏財務相は先週に続き、15日も会合を開く運びであるが、ギリシャ政府への支援として、3条件を確認することになるが、とりあえず、法案の通過は実施されてはいるが、残りの歳出削減の明確化や与党党首による実行の約束などの課題が山積しており、ユーロは紆余曲折の展開を強いられている。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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