ユーロ一触即発相場!少なめの売買で対応?
ギリシャ連立与党がEUおよびIMFとの緊縮財政措置で合意したことが好感されたことを受けて、ユーロドルは1.32ドル台半ばから1.33ドル台前半へと上昇、ユーロ円もドル円の上昇を受けて、103円台前半へと上げ幅が拡大を拡大している。
今回の合意によりギリシャへの第2次支援が予定通り実施される可能性は高いが、ユーロ圏財務相はギリシャ政府と連立与党党首が合意した緊縮策については、まだ精査する必要があるとして、1300億ユーロ規模の第2次ギリシャ救済に関する決定は見送方向だとの認識を示している。とりあえず、ギリシャのデフォルトは回避される見通しであるが、ユーロを買い戻す動きにも戸惑いが生じている。時間稼ぎの不可解な協議とも言えるが、同時に遺恨を残す結果にもなりかねず、次回のユーロ財務相会合まで予断を許せない状況が続くと判断するのが無難であろう。とは言え、相対的なリスク許容度の改善と共に、市場はこれまでのユーロショート及び円ロングを解消する傾向が強まっており、ユーロドル及びドル円の底堅さに繋がるであろう。
一方、ドラギECB総裁は理事会後の記者会見において、インフレは今後数ヶ月2%上回るが、その後2%下回る公算を指摘、そして、経済安定化の一時的な兆候がみられるが経済見通しは先行き不透明感強く、下振れリスクあるとした上、ギリシャ債の扱いについてはコメント控え、財務相会合後までECBの対応策は言えないと意味不明な見解に終始している。そして、ユンケル・ユーログループ議長も本日の財務相会合での最終決定はなく、決裂もないとしている。また、IMFはギリシャとの協議を継続中であり、ユーロ圏財務相会合の結果を見極めたいとしているが、ECBについては、一段の金融緩和余地があると指摘している。
他方、昨日の米新規失業保険申請件数が予想を下回り、相対的に雇用情勢の改善期待が高まると共に、米10年債利回りが再度2%台に乗せたことから、量的緩和第3弾(QE3)期待が後退したことから、ドル円は底堅い状況を取り戻しているが、ユーロ債務危機を背景にして、不安定極まる上昇局面と言わざるを得ない。