主要通貨⇔急ピッチの上昇に違和感!調整売り優先?
ギリシャの債務危機協議がとりあえず合意に達するとの観測が広がり、相対的に欧州債務問題が若干和らいだことを受けて、ユーロは反発気味に推移している。しかしながら、ユーロドルはこの数日間の急ピッチの上昇により、1.33台を目前には利益確定売りに圧されて上値の重い展開を強いられている。
昨日、ユンケル・ユーログループ議長がユーロ圏財務相会合を本日開催するとの報道が伝わり、ギリシャ協議に何がしらの進展が見られたとの観測が広がり、ユーロは底堅い動きを取り戻している。その後、財務相会合には、ラガルドIMF専務理事も参加することを表明、一部報道では、ECBが保有しているギリシャ債に関して、一定の利益を放棄する格好でEFSFに売却するとの観測が浮上している。ただし、ギリシャ同様にデフォルト危機に直面しているアイルランド財務相からも、もし、ギリシャ債に対してECBが譲歩するならば、アイルランドも要請を強めると述べているように、ユーロ債務危機問題には楽観論と悲観論が同居しているため、今後も神経質な相場展開が待ちうけていると判断するのが無難であろう。
いずれにしても、ギリシャが3月20日の国債償還を乗り切るためには、13日の合意期限までに支援継続条件として緊縮策を受け入れるしか選択肢はない筈であるが、未だに、アテネでは主要労働組合が大規模なストを実施しており、4月の総選挙を交えて、喧々諤々の論議が続いている。
一方、本日はECB理事会が予定される中、金利据え置きは確実視されているが、ギシャ債務問題に一定の合意が得られたとして、ドラギECB総裁の会見で追加利下げが示唆される可能性もあり、ユーロの波乱相場は避けられない状況にある。
他方、本邦の貿易収支の悪化を受けて、円売り基調が高まっているが、依然として、77円前後ではリスク回避との葛藤が続いており、ユーロドルと同様に、どちらにも傾いてもおかしくない相場環境にあると言わざるを得ない。