ドル円&ユーロドル不安定な上昇局面!戻り売り一考?
一部報道で、ギリシャ政府が救済策に関する合意文書の草案を策定中と伝えられたことを受けて、ユーロが上昇力を強めている。為替市場ではリスク選好姿勢が強まり対ユーロを中心に米ドル売り・円売りが加速、ユーロドルは1.31ドル台前半から1.32ドル台半ばへ、そして、ユーロ円も100円台後半から101円台後半へそれぞれ上昇している。ただし、ギリシャ政府の草案合意によるユーロ買いなのか、過去最大に膨れ上がっているショートカバーの反発買いと見なすかは懐疑的であり、ユーロ相場は一触即発の状況には変わりがない。
一方、国際金融協会(IIF)がギリシャ債務交換協議は建設的な進展を見せているとしているが、反面、メルケル独首相が会見で、欧州債務危機は一夜にして解決しないと問題の根幹に対処する必要があり、過剰債務、競争力の欠如など、欧州は問題に対処し始めたばかりだとしている。その中、ショイブレ独財務相もドイツはギリシャ支援を増大することに反対する旨を表明、そして、ユンケル・ユーログループ議長は「2月9日以前に、ユーロ圏財務相を召集することはないだろう」と発言したことから、ユーロの更なる上昇は抑えられている。
他方、ギリシャ債務危機が混沌とする中、メルケル首相は先に1300億ユーロ規模の救済実施の条件をギリシャが満たす時間はなくなりつつあると警告、また、フランスのサルコジ大統領も「いま責任を果たすべきだ」とドイツと歩調を合わせ追加の緊縮策を受け入れるようにと、一向に進展しないギリシャ債務問題に対し譲歩の余地なしの姿勢を打ち出している。しかしながら、ギリシャが年金や賃金カットなど国民生活を直撃する緊縮策はギリシャ国民の反発なども踏まえると、不透明極まる合意草案作りを言わざるを得ない。