時間稼ぎの段階!ギリシャのユーロ離脱懸念強まる?(ペットチャート公開)
ギリシャが第2次支援を受けるための条件となっている改革について協議する予定だった会合が延期されたことを受け、ギリシャが無秩序なデフォルト(債務不履行)に追い込まれる懸念が強まると同時に、他の重債務国に波及するとの観測が高まり、ユーロは上値の重い展開を余儀なくされている。
欧州委員会はギリシャ第2次支援をめぐる協議はすでに期限を過ぎており、ギリシャは早急に決定を下す必要があるとの見解を示しているが、昨日のサルコジ仏大統領とルケル独首相との会談においても、第2次支援の条件を早急に受け入れるようギリシャに迫っているにもかかわらず、ギリシャ暫定政権のパパデモス首相はEU・ECB・IMF(トロイカ調査団)との足並みが揃わず、本日に延期されている。しかしながら、ギリシャは3月20日に国債145億ユーロの償還を控えている関係上、最終的には玉虫色の合意に達する可能性が高いが、先延ばしすればするほど、付きつけ条件が厳しくなる一方である。また、メルケル独首相も改めて、ギリシャの倒産は認めることは出来ないし、受け入れることも出来ないと述べているが、もはや、時間稼ぎの合意過程と言わざるを得ず、最終的にはギリシャのユーロ離脱しか選択肢がないのかもしれない。
一方、投機筋によるショートポジションが異常に積み上がっている関係上、ユーロが短期的に上昇する局面は随所にあるだろうが、ギリシャ債務危機に関する即効薬がない以上、ユーロの戻り売りが市場のコンセンサスにならざるを得ない。
他方、国際通貨基金(IMF)は中国経済見通しの中で、先の基本シナリオにおいて、中国の2012年の成長率予想を8.2%とし、これまでの9.0%から下方修正しているが、今後、欧州債務危機により世界経済がリセション(景気後退)に陥った場合、中国の2012年の成長率は予想の半分となる4%台に低下する恐れがあると警告しているため、今後、株式市場のみならず、為替相場に対する影響が測り知れず、依然として、不安定な相場展開がと見なすことが得策であろう。