ユーロドル流動的も1.32前後が重石!ドル円再び76〜77円のレンジ相場?
先週末に発表された米1月雇用統計で失業率は8.3%と前月の8.5%から改善し約3年ぶりの低水準となった上、非農業部門雇用者数が24.3万人増加と予想以上に強かったことを受けて、ドル買いが進行すると共に、一時、ユーロ売りが加速、ユーロドルは1.3200近辺から1.30台後半まで急落、そして、ドル円も77円台を窺う展開を見せたが、実需及び調整売りに阻まれ、再び76円台半ば前後で膠着度を強めている。
一方、先のFOMCでは世界経済の不透明さを背景に、超低金利の長期化が強調されていたが、米雇用統計の結果を受けて、市場の一部では量的緩和第3弾(QE3)が後退したとの声も聞かれている。また、ブラード・フィラデルフィア連銀総裁は失業率が年内には7.8%、来年までに7%に改善するだろう。そして、予想外の景気の底堅さは量的緩和第3弾(QE3)の可能性を弱めており、2014年より前に利上げが実施される公算を指摘している。ただし、バーナンキFRBは雇用情勢の脆弱性を強調しており、単月の雇用統計の結果で米景気浮揚のきっかけと判断するのは時期尚早と言わざるを得ないだろう。
他方、目先の焦点は欧州債務危機に疑いの余地はないが、13日が最終案提示期限とも言われているギリシャの債務削減交渉であるが、市場では合意との見方が優勢になっているが、厳しい財政規律を求めているドイツがどこまで譲歩できるかがテーマになっているため、未だに流動的との声は少なくなく、たとえ合意を得たとしても、ユーロドル1.32台の上値の重さを意識せざるを得ないだろう。
その他では、IMFが日本に使節団を6〜13日の日程で派遣し、急激な円高や欧州債務危機が日本経済に及ぼす影響について協議する旨を明らかにしているが、現時点では高阻止に役立かは懐疑的である。