波乱相場も直近のレンジ幅で対応可!米雇用統計は期待薄?
米雇用統計の発表を今晩に控えている関係上、市場は全般的に動意薄の展開を強いられているが、その中、ギリシャの債務協議は週末までに合意との見通しが先行している。ベニゼロス・ギリシャ財務相は債務協議で残る問題の一つは、公的部門の関与だと述べる中、金融機関の資本増強の方法に関して、トロイカ調査団と厳しい協議を継続している旨を改めて指摘しており、ユーロドルは不安材料を抱えながらも下げ渋っている。
一方、バーナンキFRB議長は議会証言において、米景気回復は著しく鈍く、労働市場が正常に機能と言えるまで、まだ長い道のりであり、異例の低水準のFF金利少なくとも14年末まで正当化する可能性が高いと述べる中、欧州危機はなお脅威とし、米財政赤字は深刻な経済的影響をもたらすリスクがあると悲観的な見解に終始している。既に一部では、先の追加金融緩和策に続き、FRBが量的緩和第3弾(QE3)を打ち出すとの見方が強まっている、現状では欧州財政危機を背景として、ドルが対ユーロで安全資産として買い進まれているが、米貿易収支の改善と共に米財政赤字削減にはドル安政策が欠かせないことが指摘されるなど、市場のセンチメントはユーロの戻り売りも含めて、米ドルの戻り売りが視野に入るだけに、結果的には消去方による円買い志向が強まる傾向は否めない状況である。しかしながら、ドル円75円台では政府・日銀による円売り介入期待があるだけに、世界経済の不透明さと共に、為替相場は難解にならざるを得ない。