ドル円76円・ユーロドル1.3000割れトライも下値限定的?
ギリシャ政府と民間債権者との債務減免協議が本日または週内にも合意の可能性などの一部報道などを受けて、ユーロは下げ渋ってはいるが、たとえ合意にこぎつけたとしても、当面、ギリシャのデフォルトリスクは回避できないとの見方が先行しており、今後も一進一退の展開が予想されるため、相対的にユーロの戻り売り圧力が増している。
一方、ギリシャのベニゼロス財務相は民間債権者との債務減免交渉で、民間債権者が負担する元本減免(ヘアカット)を70%超とする案が討議されていることを明らかにしているが、たとえ70%で合意を得たとしても、欧州中央銀行(ECB)などの公的部門の貢献が欠かせないとみられており、一応、ギリシャが抱える債務は1000億ユーロ程度削減される見通しであるが、それを踏まえても、2020年までに累積債務をGDP比で120%までに縮小するという合意目標は達成できない状況にあり、依然として、希望的観測の域を脱しておらず、未だに紆余曲折が見込まれているのが現状である。
他方、ポルトガルの債券利回りがユーロ導入以来の上昇を示しており、ギリシャに次いでデフォルト懸念が問題視されているが、同国は少なくとも向こう1年間の国債償還資金をすでに手当てしている関係上、表面的に市場の反応は希薄であるが、ギリシャ債務危機が暗礁に乗り上げている状況を踏まえると、ISMの資金枯渇問題などを含めて、可及的速やかに財政再建計画を進展させる必要性に迫られており、ギリシャ救済問題が頓挫すれば、一気にユーロ売りが加速する可能性は否定できないだろう。