ドル円77円前後で再膠着!ユーロドル乱高下必至?
格付け会社フィッチがイタリアを含めたユーロ圏6カ国の格付けを引き下げたにも関わらず、市場ではギリシャ政府と民間債権者との債務交換交渉は合意が間近いとの観測が優先される中、ユーロドルは1.30ドル台後半から1.32ドル台前半まで上昇し、また、ユーロ円も連れ高現象を見せて101円台半ばへ上げ幅が拡大している。ただし、ギリシャ政府筋からは、債務交換協議について民間債権団と合意を目指すとしているが、第2次支援が実施された後はEU側からの支援策には依然として目処が立っていないとの情報が流れており、3月20日に控えている大量の償還に向けて楽観視はできない情勢にある。
一方、シカゴIMM通貨先物市場においては、ユーロ債務危機を巡るリスク回避の動きは根強く、投機筋のユーロショートが16万枚から17万枚台まで更に拡大する中、市場心理としてはユーロの反動買いに警戒感を強めざるを得ず、現時点ではユーロショートカバーが優先されており、ユーロの底堅い状況を作り出している。とは言え、不安定な上昇局面と見なした方が賢明であり、戻り売りに専念することが得策であろう。他方、ダドリーNY連銀総裁は米経済のたるみは相当大きく、米インフレ率は恐らく一段と低下するだろうと述べる中、失業率は、しばらくの間、非常に高い水準に留まるため、今年上期は昨年第4四半期の成長ペースを持続できないと下振れリスクを強調していることもドル売りを誘引している。しかしながら、米10〜12月期・GDP(速報値が予想を下回ってはいるが、その後発表された米1月ミシガン大学消費者信頼感指数は11ヵ月ぶりの高水準になるなど、欧米経済の不透明さが顕在化している以上、市場は全般的にポジション調整並びに縮小傾向が強まっている。