ドル円反発も77円から78円へのこう着相場へシフト?
市場はギリシャ債務交換協議の決着に向けて緊張感が高まる中、欧米主要株価指数が
軟調に推移したことからリスク回避姿勢が強まり、ドル円相場は77円台半ば前後のストップロスを巻き込みながら77円台後半へと今年の高値を更新する一方、ユーロドルは一時1.29ドル台半ば前後まで反落したものの、同レベルではポジション調整買いや利益確定買いに圧された格好で1.300台まで押し戻されている。
一方、先のユーロ財務相会合では合意を得られず、結果的には30日の欧州連合(EU)に持ち越す格好になるが、依然として、民間債権者との間で債務削減交渉が難航しており、現時点では新発債の表面利率4%を巡る攻防で双方共に一歩も譲らない状況から、ユーロの波乱含みの展開にならざるを得ないだろう。
他方、ドル円相場は白川日銀総裁が日本経済の下振れリスクに言及する中、漸く狭いレンジ相場を脱した感はあるが、本日財務省から発表された12月の貿易統計速報(通関ベース)によると、2011年の貿易収支は2兆4927億円の赤字となり、貿易赤字は31年ぶりとなっていることを背景に、円売り志向が更に強まる可能性から下値は堅調と判断するのが賢明ではあるが、反面、ユーロ経済を取り巻く環境の悪化を背景にして、再度リスク回避による円買い需要が拡大する恐れもあり、ドル円相場は77前後の攻防から78円前後の攻防へと膠着度を強めたと判断するのが無難であろう。