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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロドル1.3000前後で利食いと損切りが交錯!戻り売り継続?


ギリシャの債務交換協議が合意に至るとの期待感が強まったことを背景にユーロを買い戻す動きが早まり、市場はストップロスを巻き込みながら、節目と見られていたユーロ$1.3000台をクリアー、そして、ユーロ圏1月消費者信頼感が予想を上回ったこともユーロの支援材料となり、ユーロドルは1.30ドル台半ば近辺まで上昇、そして、ユーロ円も100円台半ばへと連れ高現象を起こしている。
その後、ユーロ圏の財務相は、ギリシャ債務をめぐる民間関与案を拒否し、新発国債の表面利率を4%未満とするよう、再度検討を求めるなど、ギリシャ民間関与案拒否の報道が伝わったことからユーロは対米ドル・対円で反落、ユーロ関係筋から、様々な情報が錯綜する中、ユーロドルは、辛うじて1.300台をキープしている。
一方、ドイツ政府はユーロ圏の救済基金について、暫定的な欧州金融安定ファシリティー(EFSF)と恒久基金の欧州安定化メカニズム(ESM)を組み合わせることで危機対応能力を高める案を否定しない述べる中、メルケル独首相も民間債権者との交渉と新たなギリシャ向けプログラム協議が同時に完了することは可能であり、いかなる形のつなぎ融資の必要も生じないと思うと言及するなど、ドイツ政府が合意に対して柔軟姿勢を強調したことなどがユーロの追い風になっている。
他方、IMFのラガルド専務理事はギリシャ問題に関して、より大きなファイアウオールが必要だとし、それがなければイタリアやスペインのように本質的には債務返済が可能な国までが異常な調達コストのために支払い危機に追い込まれると警告している。いずれにしても、当面、ギリシャの債務減免問題の行方がユーロの値動きを左右するであろうが、既に、ポルトガル、イタリア、スペインなどに債務危機が波及している現状を踏まえると、ユーロ債務危機の長期化が余儀なくされており、リスク回避に向けて、付焼刃的な合意案になる可能性も否定できない。それ故に、ユーロショートの積み上がりが一時的に解消されたとしても、再度ユーロ売りが加速する可能性は一考すべきであろう。
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●KJ ウィークリーレポート2012年1月23日

●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2012年1月22日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.2250 現状乖離幅0.2406→0.2309
(A)100÷99.60=1.0040−(B)1÷1.2935=0.7884⇒0.2309
先週の様子見76.95円から変化はなく、今週も引き続き様子見77.00円が点灯している。中期チャートにおいてもほぼ様子見が継続しており、75.50〜78.50のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 26.00円 現状乖離幅 20.90→22.60円
先週の強めの買いシグナル1.2684から上昇を速めている。今週は通常の買いシグナル1.2935が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、1.28前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.3100〜1.3200)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −2.00円 現状乖離幅 −2.50→−3.75円
先週の弱めの売りシグナル1.0325から上昇を速めているが、今週も引き続き弱めの売りシグナル1.0487が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、1.0500以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0250〜1.0300)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 16.50円 現状乖離幅 15.80→17.05円
先週の弱めの売りシグナル0.7947から上昇に転じており、今週は通常の売りシグナル0.8058が点灯している。中期チャートにおいては、強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7850〜0.7950)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.00円 現状乖離幅 1.75→0.95円
先週の弱めの売りシグナル1.0233から下落に転じており、今週はポジション解消買いに伴い、様子見1.0125が点灯している。中期チャートにおいては弱めの買いシグナルが点灯しており、0.9900〜1.0400のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 44.00円 現状乖離幅 40.95→42.95円
先週の買いシグナル1.5322から上げ足を速めており、今週は弱めの買いシグナル1.5578が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが点灯しており、1.5200〜1.5700のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.5650〜1.5700)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −8.00円 現状乖離幅 −3.90→−5.40円
先週の強めの売りシグナル0.9518から下落に転じており、今週は通常の売りシグナル0.9345が点灯している。中期チャートにおいても、依然として、売りシグナルが点灯しており、0.95台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.9150〜0.9250)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 18.50円 現状乖離幅 18.30→18.70円
乖離幅18円台の攻防が続いており、引き続き、短期&中期チャート共に、様子見レベルで推移している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。18.65→19.95→20.20→19.20→17.30→15.85→15.65→17.05→16.70→16.85→17.45→15.95→15.55→15.85→15.75→17.60→17.75→18.75→19.05→18.75→18.75→17.75→19.10→19.10→18.40→18.75→18.75→18.65→18.30→18.70円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月平均は187.70円、9月平均は183.10円、10月平均は181.95円、11月平均は182.70円。12月平均は180.75円、2012年度1月第1週は175.50円、第2週は174.90円、第3週は174.55円、そして、今週はユーロ円99.60+ドル円77.00=176.60円と円安に傾斜しているものの、依然として、円高警戒レベルで推移している。(目安*185円以下は円売り局面⇔195円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 18.00円 現状乖離幅 20.30→20.35円
先週の弱めの買いシグナル0.8278から若干上昇しているが、今週も引き続き弱め買いシグナル0.8303が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが、点灯しており、0.8000〜0.8500のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.8400〜0.8450)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 18.00円 現状乖離幅 16.75→17.20円
先週の弱い売りシグナル1.2072から変化はなく、今週は様子見1.2087が点灯している。中期チャートおいては、弱めの売りシグナルが点灯しており、1.1900〜1.2300のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 37.00円  現状乖離幅 37.05→37.55円
先週の弱めの売りシグナル1.4583から若干下落しているが、今週も引き続き弱めの売りシグナル1.4557が点灯している。中期チャートおいては、依然として、弱めの売りシグナルが点灯しており、1.4200〜1.4700のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.4300〜1.4400)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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