ユーロドル急ピッチの回復に違和感!1.3000前後が正念場?
懸念されていたフランス国債入札やスペイン国債入札が順調に通過したことや、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の融資能力拡充の可能性も示されたことから、ユーロ圏におけるソブリンリスクが一服する中、ユーロドルは1.29前後からストップロスやオプショントリガーを大量に巻き込み、ユーロショートの解消買いが優先されており、ユーロドルは1.30台を意識せざるを得ない展開になっている。
S&Pによるユーロ圏の一斉格下げ後、ユーロ圏の国債入札がECBの協力体制と共に軒並み無難に消化されていることが好感され、相対的にポジションの巻き戻し基調が早まり、ドル売りと円売りが促進している。
一方、ギリシャと民間債権者団体の交渉は続いているが、ギリシャ政府が民間部門との債務交換をめぐる協議は、発行されるギリシャ国債の表面利率などをめぐり難航している模様であるが、再開後もほとんど進展は見られていない状況である。また、最上級からの格下げを排したフランスやオーストリア国債利回りが低下傾向を示す中、2段階引き下げられたポルトガル国債利回りが急騰するなど、ユーロ圏域内における国債の選別が進行している。一部では、ギリシャと同様にポルトガルも民間債権者の負担が取りざたされおり、今回のユーロ反発を不可解と判断している見解も少なくない。とは言え、市場の流れからは、投機筋によるストップロス狙いの買い(ユーロドル1.3000)が予見されるため、ユーロ売りを敢行できない側面があり、もう一段の上昇を待ってからの逆張りに委ねることが賢明であろう。