ユーロ戻り一過性!1.28台の上値の重さ再認識?
昨日は独ZEW景気期待指数が予想以上の改善を示し、また、中国の国内総生産(GDP)
も予想を上回り、また、懸念されていたスペイン債入札の好調な結果を好感し、ユーロショートの買い戻しが一時的に優勢となっていたが、その後、欧州委員会がハンガリー政府に対して中央銀行の独立性を確保するよう強く迫ったことや、欧州金融機関が格下げされるとの噂が先行する中、ドイツ政府が2012年の成長見通しを従来の1.0%から0.75%に下方修正、そして、2013年は1.6%に急速に回復するとしているものの、再び、市場はリスク選考型の相場展開へと様変わりしており、ユーロドルは1.28台から失速、1.28台の上値の重さが再認識されている。
一方、ギリシャ・ポルトガルなどの重債務国に対する抜本的な打開策が見出されない段階では、恒常的にユーロ圏を巡る格下げ論争が激化する可能性が高く、遅かれ早かれ、ユーロドル1.25割れを視野に入れながら、ユーロの戻り売りを軸とした戦略性が求められるが、市場には格付け会社S&Pが前週末のユーロ圏9カ国に続き、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の格付けも引き下げた余韻があるため、ユーロの反発は限定的と判断するのが妥当であろう。
他方、本日はドイツとポルトガルの国債入札、明日にはスペインとフランスの国債入札が予定されているが、現時点ではECBによる資金供給源を背景として、概ね順調に消化される見通しではあるが、たとえ、無事に入札が実施されたとしても、ユーロの戻りは限定的と判断するのが順当であり、むしろ、入札が不調に終われば、更にユーロ売りが加速する可能性も高いだろう。