順調なイタリア・スペイン債落札結果!継続性は疑問視?
ECB理事会において金利は全会一致で据え置かれたが、その後のドラギECB総裁の記者会見において、ユ−ロ経済の見通しは、依然として大幅な下振れリスクが存在しているが、ユーロ圏経済に安定化の兆しが幾分みられるとのやや楽観的な見方が優先れる中、懸念されていたスペインとイタリアの国債入札が予想外に好調だったことを受けて、ユーロドルは1.27ドル台前半から1.28台半ば近辺まで、そして、ユーロ円も97円台から98台半ばへと反発している。
イタリアは4カ月と1年の短期債(総額120億ユーロ)を発行し、一年債では前回実施分の5.9%から2.7%まで平均落札利回りが低下、それに伴い、10年債も危機的水準である7%から6.4%まで低下、また、スペイン国債の需要の高さなども加わり、昨年度末から続いていた資金調達懸念が緩和されている。しかしながら、ECBによる金融機関への資金供給が債券市場に貢献しているとの見方が大勢を占めており、一過性の需要増との見解も少なくない。とは言え、ECBが重債務国への資金供給源になっている過程では、今後も債券利回りの低下を促すであろうが、ECBの後ろ盾が外れれば、金調達難と共に、債券利回りの上昇に繋がる可能性が高く、ユーロを積極的に買い戻す相場環境には至っていない。