ECB理事会&国債入札を控え、様子見モード強まる!ユーロ戻り売り継続中?
格付け会社フィッチが欧州中央銀行(ECB)はイタリアを支援し、ユーロ崩壊という「大惨事」を回避するために国債買い入れを拡大すべきとの見解を示したことを受け、欧州債務危機懸念が高まったことからユーロ売りを誘発している。その中、市場ではフランス国債の格下げ問題の噂が広がり、一応、フランス財務省は格下げが差し迫っているとの通知を受けていないと言明しているものの、市場ではほぼ格下げ問題が既成事実化している関係上、ユーロの戻りは限定的になっている。加えて、ギリシャで民間部門との債務減免協議が難航しているとの報道が伝わったことなどもユーロの重石となり、ユーロドルは一時1.26台半ば近辺まで下落、今年の安値を更新している。しかしながら、本日のECB理事会やイタリア、スペイン債入札の動向を見極めたいとの思惑から、ユーロドルは利益確定買いを伴い、1.2700前後まで買い戻されているが、依然として、上値の重さは否めない状況にある。
一方、IMFの統計によると、欧州債務危機を背景に新興国の外貨準備高の減少が続いている。一部ではドル資金の供給不足が主な要因とされているが、新興国の自国通貨安が恒常的になっていることも外貨準備高を取り崩している要因となっている。反面、先の本邦の円売り介入(ドル買い)により、外貨準備高の減少は一服しているが、市場はリスク回避によるユーロ離れは現実化している中、今後はリスク分散型のドル離れ志向が強まる可能性も含めて、為替相場の波乱要因になりつつある。
その他では、米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、ここ数ヵ月間の経済状態の改善から個人消費が大半の地区で上向き傾向にあるとしているが、市場の関心はユーロ一色のため、市場の反応は限定的になっている。