ユーロ戻り売り顕在化!
ユーロ圏を巡る重債務問題が激化する中、格付け会社フィッチは、フランスの格付けを今年引き下げる可能性は低いと述べたことから、ユーロドルは一時ポジション調整買いを伴い1.28台を回復したものの、リスク回避志向に圧された格好で、再び1.27半ば前後でもみ合い相場になっている。また、ドル円も77円台には届かず、両通貨共に上値の重さを意識せざるを得ないが、明日にはECB理事会やイタリア、スペインの国債入札などが予定されている関係上、市場は目先の動向を見極めたいとの思惑が先行し、為替市場は小幅なレンジ相場と化している。
一方、ギリシャ国債に対する50%のヘアカット(債務減免)を適用する点で交渉が難航する中、数週間内には銀行、保険会社、ヘッジファンドなどの了解を得るための会
合が予定されていると報じられている。ギリシャ政府が今後も国際通貨基金(IMF)並びに欧州連合(EU)からの支援策を受け入れるための最低条件になると思われるが、が、ドイツのメルケル首相と国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は昨日の会談で、ギリシャ問題とユーロ圏の債務危機の解決策について協議、また、メルケル首相とイタリアのモンティ首相が会談、そして、フランスのサルコジ大統領とラガルドIMF専務理事の会談も予定されるなど、各首脳はユーロ債務危機に向けて奔走しているが、逆にユーロ債務問題の深刻さを露呈している状況である。
他方、欧州銀行は資本増強のため20日までにはそれぞれ当局に資本計画を提供する必要があるが、結果次第では各銀行の資金繰り難が深刻化する恐れが浮上しており、ユーロを買い戻す動きは限定的と言わざるを得ないだろう。