ユーロ売り催促相場 VS 急ピッチのユーロショートに違和感!
昨日実施されたフランス国債入札で利回りが上昇したことを受けて、フランス国債の最上級格付け「AAA」が引き下げられる可能性が一段と高まっている。1〜3月期には財政難に直面しているイタリア及びスペインの国債入札ラッシュが予定されているため、今後もユーロ債全般への利回り上昇懸念が先行すると共に、資金調達難が案じられており、市場はユーロ売り一色の展開を余儀なくされている。
一方、ユーロドルは昨年9月以来の安値水準1.2770前後、そして、ユーロ円も連日安値を更新し、11年ぶりの安値水準98円台半ば前後まで下落基調を強めており、反発の兆しは一向に見せていないが、同時に、昨日発表された米国12月ADP雇用統計は32.5万人と予想17.8万人を大幅に上回り、本日の米12月雇用統計への改善期待が高まっていることもドル買い・ユーロ売りに拍車をかけている。
他方、ドル円は政府日銀の円売り介入期待は後退しつつあるも、一応77円台を回復しているが、一部メディアによれば、IMFが本邦金融機関にストレステスト実施後に、金融機関が保有している日本国債が下落した場合のリスクについて精査しているとの報道が円売りを助長させている。
その他では、ギリシャ政府が再度第2次支援に向けてEU、IMF、ECBのトロイカとの交渉やハンガリー政府は先日成立した新中銀法に関してECBと協議する用意があるなど、市場はユーロ圏の財政債務問題に染まっている中、来週にも独仏首脳会談が再度予定されているが、もはやトップ会談で処理できる環境には至っておらず、ユーロのもう一段の催促相場となりかねない状況であり、引き続き、ユーロの戻り売り優先の展開が強いられている。