ECB異例の供給オペ!ユーロ信用不安露呈、戻り売り継続?
ECB(欧州中銀)が初めて3年物資金供給オペを低金利で実施したが、予想の2倍の申し込みが殺到、その多くは重債務国の金融機関が占めており、改めて、欧州金融機関の資金繰り難が再認識されている。今回のオペは逼迫している欧州金融機関への供給資金と共に市場流動性確保が狙いであるが、ECBが実施した異例の3年物供給オペで4892億ユーロの資金が供給されたにもかかわらず、ドル資金調達難が解消される状況には至っていない。
一方、ユーロドルはクリスマス休暇を控えて、一時、ユーロショートを解消する動き先行し、1.32台に迫る展開になっていたが、ECBの供給オペが欧州実体経済に及ぼす影響は限定的との見方が支配的となり、また、欧州主要株価指数がマイナスに転じたことから、ユーロドルは一気に1.30台半ば割れへと下げ足を速めている。
他方、ECBの資金供給により、当面、不安視されているユーロ国債投資に向かえば、ユーロ国債の下落に歯止めがかかるであろうが、反面、投資目的の国債購入が一巡すれば、再び、重債務国中心とした債券利回りが上昇する可能性が高いだろう。それ故に、投機筋によるユーロショートの積み上がりが異常な水準とは言え、ユーロを買い戻す動きは後退していると判断するのが無難であり、引き続き、戻り売りを軸としたシナリオで対応することが得策であろう。