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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

アメリカ映画(アメ車)→日本映画『日本車) そして、US$から日本円!

為替も米ドルが強いのか弱いのかはっきりしない日々の連続である。日本経済が回復基調にあると言いながらもゼロ金利政策からの脱却もデフレからの脱出宣言もままならず、少々ストレスが溜まる為替相場とも言えますね。
昨日は気分転換をかねて、久しぶりに映画鑑賞の運びとなったが、どうせ見るならスカッとする映画と思い、懐かしい響きと想い出のある『キングコング』を選択、しかし、上映時間が3時間余りと少々長いのが気になった。
ストーリー自体は過去のキングコングを踏襲してあるが、CGの進歩には改めて驚かさせる一日であり、アメリカ映画の大迫力を見る限りは、米ドル売りなど考えられないほどのスケールの違いがあります。しかし、巨額な映画制作費を投資続けるアメリカ映画よりも、小粒で洒落のある日本映画『有頂天ホテル』のほうが断然集客力では勝っているようですし、映画の善し悪しはCGでは作られないのも事実です。何故だか、アメリカ車と日本車に似ている感もありますね。

●昨日の米耐久受注の改善もあり、日替わりメニューのようにFOMCの金利打ち止め感と利上げ継続が交錯しており、難解なマーケットに化している。ドル円が116円台に乗せても、米ドルには際立った支援材料はなく、手探り的に上値を追う展開が見込まれるが、日米金利格差を背景にした米ドルロングには根強いものがマーケットには浸透していることもあり、市場がこう着状態に陥ると、米ドルショートに耐え切れない投資家たちのポジション調整買いが増える傾向は否めない。しかしながら、ドル円120円台からの急落をみたドル円だけに、半値戻しが精一杯の感はあり、当面は117円台半ばまでの上限を想定すれば問題はないと判断する。
●現状では上値を探る段階的な米ドルの上昇も期待できるが、逆に金利動向も含め、貿易不均衡による円高圧力も必死になる情勢でもあり、常に米ドルの急落も想定したポジション形成は捨てきれないだろう。
いずれにしても、米経済指標だけでは小幅な値動きに終始すると思われるが、金利動向を見極める意味合いでも今晩発表の米第四半期GDPに注目し、ポジションの方向性を見出したい参加者も多くみられ、FOMCの政策金利発表があるまではドル円の下値も堅調に推移すると判断し、115円台後半の買いであればリスクも限定的と判断するが、反面GDPの悪化も予想されるだけに米ドル急落をも備えたストップロスは115円台半ばには必須条件である。
ユーロドルも一時的には1.22前後までも見られたが、利上げも観測される中では下値も限定的と判断してよいだろう、ユーロ経済の善し悪しが不透明でもあり、また中国政府は外貨準備をさらに増やす意図はないと牽制しているように、今後も増え続ける外貨は米ドルからユーロドルにシフトされる見解もあり、ユーロドルの底堅さが感じられるマーッケットである。1.22割れの買いを推奨する。

プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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