ユーロ戻り売りに徹底!豪ドルロングに妙味(中期志向)?
クリスマス休暇を控えて、相対的に市場は様子見ムードが強まる中、為替市場は流動性が欠ける展開になっている。ドル円を筆頭に各通貨も小幅なレンジ相場と化しているが、市場は欧州債務問題の対応策が危機として進まず、依然として、ユーロ売り材料には事欠かない状況であるが、反面、一部ではユーロの過小評価が問題視される中、ユーロショートの積み上がりがあるため、更にユーロ売りを敢行する難しさが生じている。現時点ではユーロ圏のソブリンリスクが先送りされているとは言え、欧州経済が足を引っ張る恰好で米経済や中国経済の不透明感にも繋がっており、世界経済の低迷と共に、ユーロドルを積極的に仕掛けにくい相場環境に陥っていると言わざるを得ない。
一方、本日は特筆すべき材料の無い中、午前中に発表された豪準備銀行(RBA)議事要旨では、追加利下げ観測が後退した内容を好感し、豪ドルの反発買いが先行、再度、対米ドルで1.000を窺う展開になっているが、主要通貨の中では、円キャリートレードの対象通貨としては健在であり、また、中期的な観点からは、豪ドル円ロングを維持し易い状況になっている。相対的なリスクの軽減を図る意味では、ドル円との比較から考えても、過度な豪ドル売り局面では豪ドルロングに転じることが得策であろう。
他方、ドイツ2年物国債利回りが0.20%とユーロ導入後の最低を更新、そして、ドイツ債と重債務国債の利回り格差が拡大する中、本日は、ドイツの景況感指数やスペイン国債の入札が控えているため、ユーロの上値の重い展開が予想されるが、前述したように、ユーロショートの持ち高が積み上がった状況下では、一段の売りには慎重な見方が支配的であり、当面、直近のレンジ幅の中で売買を模索するしか妙味はないだろう。
その他では、日本政府は2011年度第4次補正予算案を決定する中、為替介入資金の原資となる外国為替資金証券の発行限度額を165兆円から195兆円へと30兆円拡大し、改めて、政府・日銀の断固たる介入姿勢が再確認されているが、市場の反応は相変わらず限定的になっている。