ユーロ1.300割れは時期尚早!選択肢は戻り売りに?(今週のペットチャート公開)
格付け会社ムーディーズは来年第1・四半期に欧州諸国の格付けを再検討する可能性
があることを明らかにする中、その後、格付け会社フィッチもEUサミットは欧州債務における格付け引き下げ圧力を緩和しておらず、包括的な解決策に欠けている。そして、景気回復を持続できるようになるまで危機が来年以降もさまざまな要素で継続
する可能性を踏まえ、ユーロ経済は短期的に著しい低迷に直面するとも指摘するなど、これらの見解を受けて、欧米主要株価指数の下げ幅が拡大する中、商品先物相場も軟調に推移すると共に、リスク回避姿勢が一段と強まり、ユーロドルは10月初旬以来の1.32割れへまで続落している。とは言え、ユーロショートの異常とも思える積み上がり現象を考慮すると共に、投機筋の反動買いを警戒した動きも予想されるため、あくまでも手探り的なユーロ売り局面と判断するのが無難であり、現状レベルからのショートは自重し、引き続きユーロの戻り売りに専念するのが賢明であろう。
一方、米国では連邦公開市場委員会(FOMC)が行われるが、一連の米経済指標が改善の兆しをみせており、市場では米景気の2番底懸念が後退しており、事前予想通りに政策金利は据え置きが見込まれるが、市場はユーロ債務危機問題により関心を強めており、マーケットへの影響は限定的と判断するのが妥当であろう。
いずれにしても、ユーロ債務危機問題がマーケットを席巻する中、イタリア国債利回りが再度危険水域の7%台乗せなど、ユーロを買う材料が皆無に等しい状況にあるが、当面、突発的な要人発言や投機筋のポジション調整買い、または、米景気減速懸念なで、瞬間的にユーロが反発する可能性は否定できないものの、総じて、上値は限定的と判断するのが正解であろう。