EU首脳会議一応の合意!ユーロ上値の重さ再認識?
先週のEU首脳会議において、英国を除くユーロ圏17カ国を中心に財政規律強化に向け新条約を作ることで基本合意される中、各国が財政規律の法制化を義務付け、単年の財政赤字をGDP0.5%までに抑制し、最悪3%を突破した場合は自動的に制裁発動を織り込むなど、相対的に危機回避に向けて前進はしているものの、依然として希望的観測の域を脱していない。
一方、資金面においては、EUからIMFへ最大2000億ユーロの資金提供、欧州安定化メカニズム(ESM)を前倒し2012年7月発足し、資金規模は5000億ユーロとし、現行のEFSFは2013年6月まで存続する中、ユーロ共同債は継続協議する旨を発表している。これらを背景にして、欧米株式市場が堅調に推移し、リスク選好姿勢が強まりから、ユーロドルは1.33ドル台前半から後半へ上昇している。
他方、ユーロ圏各国の首脳は、欧州連合(EU)首脳会議で合意した新たな財政規律強化によって2年にわたる債務危機から解放されると強調しているが、イタリアの債務総額を筆頭にして、ユーロ圏における債務規模が3兆2千億ユーロとも言われているため、今回の財政支援策がユーロ危機の突破口になるとは言い難いのが現状であり、更にユーロを買い上げる相場環境には至っていない。
また、投資家の間ではECBが債券購入を拡大するとの期待感が浮上してはいるが、ドイツ連邦銀行総裁は欧州中央銀行(ECB)が役割を拡大するとの観測に批判的な見解を示している。英国の合意は得られなかったことから、ユーロ圏が一枚岩ではないことを再び露呈しており、ユーロの戻り売り圧力に繋がっている。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年12月11日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.2100
現状乖離幅0.2105→0.2165(A)100÷103.70=0.9643−(B)1÷1.3372=0.7478⇒0.2165
先週の弱めの売りシグナル78.00円から若干下落に転じているが、今週も引き続き弱めの売りシグナル77.55円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、買いシグナルが点灯しており、77〜80円のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(76.50〜77.00)
▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 28.00円 現状乖離幅 26.55→26.15円
先週の買いシグナル1.3404から若干下落しているが、今週も引き続き通常の買いシグナル1.3372が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、1.34割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.3600〜1.3700)
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.00円 現状乖離幅 −1.70→−1.65円
先週の弱めの買いシグナル1.0260から若干上昇しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル1.0260が点灯している。中期チャートにおいては売りシグナルが点灯しており、1.000〜1.0500のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.0300〜1.0350)
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 17.00円 現状乖離幅 17.40→17.40円
先週の買いシグナル0.7769から変化はなく、今週も引き続き買いシグナル0.7750が点灯している。中期チャートにおいては売りシグナルが点灯しており、0.7500〜0.8000のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.7850〜0.7900)
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.50円 現状乖離幅 1.50→1.40円
先週の弱めの売りシグナル1.0196から変化は見られず、今週も引き続き弱めの売りシグナル1.0191が点灯している。中期チャートにおいては様子見が点灯しており、1.0000〜1.0500のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.0100〜1.0150)
▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 44.00円 現状乖離幅 43.70→43.85円
先週の買いシグナル1.5603から若干上昇に転じており、今週は弱めの買いシグナル1.5654が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが点灯しており、1.55割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.5700〜1.5800)
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −9.00円 現状乖離幅 −6.70→−6.40円
先週の強めの売りシグナル0.9209から若干下落しているが、今週も引き続き強めの売りシグナル0.9172が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、0.92台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8900〜0.9000)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 18.00円 現状乖離幅 19.10→19.10円
先週の乖離幅から変化はなく、今週も引き続き短期&中期チャート共に、豪ドル円売り・NZドル円買いが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65→17.05→16.70→16.85→17.45→15.95→15.55→15.85→15.75→17.60→17.75→18.75→19.05→18.75→18.75→17.75→19.10→19.10円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月平均は187.70円、9月平均は183.10円、10月平均は181.95円、11月平均は182.70円。12月第1週は182.55円、そして、今週はユーロ円103.70+ドル円77.55=181.25円と未だに円高圏で推移している。(目安*185円以下は円売り局面⇔195円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 16.00円 現状乖離幅 17.15→17.70円
先週の弱めの買いシグナル0.8591から若干下落しており、今週は通常の買いシグナル0.8542が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、0.85割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8600〜0.8700)
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 19.35→19.85円
先週の弱めの売りシグナル1.2344から変化はなく、今週も引続き弱めの売りシグナル1.2353が点灯している。中期チャートおいては様子見が点灯しており、1.2000〜1.2500のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.2200~1.2250)
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 35.00円 現状乖離幅 37.00→37.00円
先週の売りシグナル1.4368から上昇しており、今週は強めの売りシグナル1.4461が点灯している。中期チャートおいても売りシグナルが点灯しており、1.45台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.4050〜1.4150)
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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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